昨今は、新型コロナウイルスの影響もあり、モビリティ業界にとって非常に難しい時期が続いています。モビリティ業界関係者は、激化する競争、世界経済の停滞および落ち込んだ消費者需要に苦しんでいます。C.A.S.E.(コネクティビティ、自動運転、シェアリングを含むモビリティサービス、電動化)は、エコシステム全体に破壊的影響をもたらしました。新型コロナ危機は、この変革プロセスを加速させ、同時に各ステークホルダーに対して持続可能な、そしてイノベーションに基づく成長モデルの方向性を求め、未来の成長機会を探る機会をもたらしました。そのようなMobility業界の動きを受け、インテリジェント モビリティ サミット 2021のテーマを、“ゼロへのイノベーション”(ゼロのイノベーション)といたしました。

開催概要

新型コロナの危機により引き起こされた原油価格の急落は、EV化へのロードマップを弱体化させると予測されました。しかし、多くの国々で実施されたロックダウンでは、空気の汚れによる危険性が浮き彫りになり、パンデミック前から行われていた、再生可能で、グリーンなエネルギー政策への転換が強化されました。また、シェアリングエコノミーは、感染リスクの懸念によりマイナス影響を受けたものの、EV化および自動運転の展開は活発化しました。モビリティ関連企業は機敏に対応し、柔軟に配送するdelivery-of-everythingのビジネスモデルを導入しました。
「ニューノーマル」が継続するなか、自動車の排出ガスゼロ、廃棄物ゼロ、事故ゼロ、不良ゼロ、二酸化炭素排出ゼロといった、“ゼロのイノベーション”のビジョンは加速しています。

電気自動車は、充電インフラや固体電池などの新しい電池技術の進化に後押しされ、よりクリーンでカーボンフリーなモビリティへの取り組みを推進して行くことになります。この取り組みは、バッテリー交換のような新しいモデルや、スケートボード型EV基板のような先駆的なプラットフォームによりさらに強化されるでしょう。同時に、コスト、技術、インフラ面での革新により、未来の燃料として水素の可能性が注目されるでしょう。二酸化炭素を多く排出する自動車業界において水素の利用が主流になれば、気候変動の脅威に対する懸念を取り払うことができる可能性があります。水素燃料電池およびインフラ開発は、持続可能エネルギー経済への移行を促進するでしょう。

同時に、自動運転車の開発においては、事故ゼロ、死亡者ゼロの未来へ向けてのイノベーションが注目されるでしょう。コネクティビティ技術により、安全な運転体験がサポートされ、自動車の性能が向上されます。また、車内での幅広いサービスの提供も実現させるでしょう。
持続可能性の目標と売上/利益を両立させる取り組みは、循環型経済のコンセプトと紐づけられるでしょう。「削減、リユース、リサイクル」(”Reduce, Reuse, Recycle”)の取り組みは、カーボンニュートラルと廃棄物ゼロを目標とし、また、配車サービス、カーシェアリング、Mobility-as-a-Serviceなどのシェアリングビジネスモデルは、車両の利用率向上と、より効率的なの消費モデルをもたらすでしょう。

2022年はモビリティ業界にとって、未来を形作るチャンスであり、ゼロのイノベーションにより長期的な価値を生み出す「ゼロの年」(”Year Zero”)となるかもしれません。
新型コロナの危機が続くなか、フロスト・アンド・サリバンの旗艦イベントである、第13回インテリジェント モビリティ サミット 2022は、オンラインで開催されます。”Intelligent Mobility: Innovating to Zero“をテーマといたしましたこの2日間にわたる戦略的サミットでは、厳選されたウェビナー、洞察にあふれたパネルディスカッション、並びに様々なオンラインイベントが開催されます。業界の指導的立場の方々、政策決定者、投資家、イノベーターなどが1つのデジタルプラットフォーム上に会します。参加者の皆様には、ご自宅やオフィスから快適にディスカッションへアクセスする機会をご提供します。
Webinar開催のインテリジェント モビリティ サミット 2022で皆様にお会い出来ることを楽しみにしております。